季節の移り変わりとともに異なる表情を見せてくれる、森の木々。キャンプの目的は人それぞれですが、そんな、自然によってつくり出される美しい景観を味わう、というのもひとつの楽しみ方。
今回紹介する「ANOTHAPLACE(アナザプレイス)」は、風景を楽しみながら自然の中で静かに過ごしたい、そんな方にぴったりの素敵なキャンプ場です。
大切に育てられたこだわりのガーデンキャンプ場
「ANOTHAPLACE」は、キャンプ場のメッカである富士山の麓に、2021年3月に正式オープン。静岡側の富士宮にあり、東名高速道路の新富士ICから20分とアクセス良好。
キャンプ場に着くと、オーナーご夫妻の愛車、赤いディフェンダーが出迎えてくれます。
ガルバリウムと無垢材の組み合わせが、フィールドの雰囲気と絶妙にマッチした管理棟(24時間常駐)。到着したらまず、こちらでチェックインをおこないます。現金のほかに、PayPayでも決済可能。
約2,000坪の場内には、17の区画が余裕をもって配置されています。隣の区画との距離が近すぎるとソワソワした気分になってしまいますが、ほどよい距離と間にある樹木のおかげで落ち着いて過ごすことができます。
かと言って決してよそよそしい雰囲気というわけではなく、オーナー夫妻を介して知り合った利用者や以前から面識のあるキャンパー同士が挨拶をしあうなど、場内には和やかな雰囲気が漂っています。
場内中央にある小屋にはトイレと水場が。どの区画からでも1分以内で行けて目が届く距離にあるので、我が家のようなまだ小学校に上がる前の子がいるファミリーキャンパーでも安心。
個室トイレは水洗でウォシュレット完備、お湯が出る炊事場は、快適そのもの。蛇口やシンクなど、細部の造形にもセンスの良さが感じられます。せっかくの良い雰囲気を損なわないように、綺麗に使いたいですね。
開墾作業や場内の手入れでも実際に使っている、ご主人手作りの梯子や手押し車。
場内を見渡せる母屋のウッドデッキには、ほどよくエイジングした木製のアディロンダックチェアが置かれています。木漏れ日の中、気持ち良く昼寝ができそうです。
木々に囲まれた綺麗に整地されたサイト
ANOTHAPLACEのサイトは全て独立した区画サイトで、樹木・フィールドの保護のため車の乗り入れは不可。ただ、それぞれの区画のすぐそばに車を停められるため、道具を運搬する負担はそれほどありません。
こちらが場内マップ。8つのレギュラーサイトと、9つのラージサイトがあります。
マップ上段の8つの区画はレギュラーサイト。区画のサイズは12×12mですが、テント設営に適した整地されたスペースは8×8m。大型のテント1張または小型のテントとタープあたりがちょうど良い広さ。
駐車スペースから設営場所までの距離が近いため、運搬の負担を減らしたい場合はこちらのサイトがおすすめ。
ラージサイトは12×18mと、うなぎの寝床のような縦長のサイト。整地部分はレギュラーサイトと同じで8×8mですが、手前に広々としたスペースがあり、そこにタープを張ったりすることが可能。
その分、車から少し距離はありますが、いずれにせよそこまで大した距離ではありません。
プレオープン中、5月や7月など虫が多くなる季節にも利用しましたが、木が多いにも関わらず思いのほか虫が少なく、虫が苦手な方でも比較的安心して過ごせる環境でした。
静かに自然を味わう、それがアナザスタイル
冒頭に述べた通り、キャンプの楽しみ方は人それぞれではありますが、アウトドアという特性上、声や音は筒抜けですし、旅の疲れで早く休まれている方もいるので、基本的には夜は静かに過ごすのがマナー。にも関わらず、夜遅くまで大人数で賑やかに過ごしている方々に、悩まされたりするというケースが一定数あるのも事実。
ANOTHAPLACEでは、利用者がそういったことに悩まされたりすることがないよう、大切にしているいくつかのルールがあります。
特に大切なのが騒がしくならないようにするための配慮で、日没から翌朝8時までの間は、1サイトにつき、大人は2名まで、子供は3名までと人数制限が設けられてます。つまり大人は、夫婦やカップル、ペアという単位ということですね。もちろんソロは問題ありません。やはり人間たるもの、人数が増えるとそれに比例して騒がしくなりがちですからね。
人数制限などのルールは、賑やかに過ごしたい方にとっては制約かもしれませんが、静かに過ごしたい方にとっては望ましいことで、利用者にとっては、逆にそういった選択肢があるというのはとても有難いことだと感じます。
他にもいくつかありますが、詳しい利用ルールや予約方法については、公式Instagramのプロフィールから見ることができる「#anothaplace予約」のpostに記載されているので、内容をよくご覧になり、問い合わせてみてください。
四季折々の表情を見せる場内の風景
我が家は、オーナー夫妻がキャンプ場作りを始める前から縁があり、幸いなことに正式オープンになる前に何度か利用させてもらっていました。伝え切れるかどうか分かりませんが、せっかくなのでいくつかの季節の場内の様子をお伝えします。
初めて訪れたのは5月、天候に恵まれたこともあり、とても心地良く過ごすことができました。飲み込まれそうな圧倒的な緑に、光が当たってキラキラ反射する様子に目を奪われました。
2回目の訪問は7月、テントの中から眺める場内の風景。一面見渡す限りの緑。
森の中の特等席で、贅沢な時間を過ごすことができました。
そして、楽しみにしていた紅葉シーズン。11月下旬ごろの訪問でした。
紅く染まった葉に覆われたラージサイトの様子。ため息が出るほどの美しさに、終始魅了されてしまいました。
夕陽を浴びて輝くもみじの葉とテンティピ。
富士山推しのキャンプ場ではありませんが、場内の一部からは富士山の山頂付近のみ見ることもできます。
近場には子供が楽しめる施設も充実
キャンプ場のお隣には「やぎの木登りガーデンカフェ」という施設があり、ヤギに餌をあげたり、触れ合いを楽しむことができ、小学校低学年ぐらいまでの小さいお子さんには特におすすめ。
屋外のカフェでは名物の「富士宮焼きそば」や、暑い時期にはアイスクリームやかき氷を食べることができます。
ちなみに、ANOTHAPLACEにはシャワーやお風呂といった入浴設備はありませんが、車で5分のところに「天母の湯」という食事処も併設した温泉があるので、特に困ることはありません。
静かに過ごしたい方のための楽園キャンプ場
静かさと景色の良さがキャンプで重要なこと上位に入る方は、おそらく私以外にもたくさんいると思います。ANOTHAPLACEはその2つの要素が確実に保証されている、数少ないキャンプ場のひとつ。
ちなみに、たしかに紅葉は季節限定で特別感があり、見応えもありますが、私のおすすめの時期は、5月〜7月ごろ。濃淡のある鮮やかな緑のグラデーションが、強く印象に残っています。ぜひその頃にも訪れてみてください。
ではまた。
Have a good camp.
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