デザイン性が高くコスパに優れたテント・シェルターを取り揃える、日本のテントブランド、ZANE ARTS。
これまでは中型のシェルターなど、4人家族で使うにはちょっと適さないラインナップでしたが、ついにファミリーでも使いやすそうな大型2ポールシェルターがリリースされました。
2ポールシェルター全般の特徴
まずはじめに、張り姿の美しさで人気の2ポールタイプのシェルター全般に言える特徴から。
まとめると、設営は容易だけど、幕の傾斜があるためドームタイプのシェルターや2ルームテントと比べると居住空間は圧迫されがち、というタイプの幕です。
我が家では既に大型の2ルームテントを所有しているんですが、雨設営などでポールを組んでスリーブを通して、とやっているうちにずぶ濡れに、、、というのがわりとあったので、より手早くルーフを作れる2ポールシェルターを導入してみました。
その前提を踏まえて、ギギ2の特徴を紹介していきます。
ギギ2の良かったところ
では、実際に張ってみてわかった点をチェックしていきます。
展示会で見た感想は以前の記事で書いたので、今回は使って気づいたことを中心に挙げていきます。
ファミリーで過ごせる広めの内部空間
結論を先に言っておくと、この一幕だけで、追加でタープを張ったりせず、問題なくファミリーキャンプ、できました。
気がかりだったのは、寝るスペースを確保しつつファミリーキャンプで使う道具一式を収納できるか、という点だったんですが、ギアを収納してクローズした状態でも一定の居住性を確保することができました。
ギギ2には専用の2人用インナーテント(別売)があり、2本のポールそれぞれに取り付けることができますが、我が家では使っていません。
写真は展示会で見た時のものです。
これからテントを初めて買う、あるいは小型のテントを持っていない、ということであれば素直に専用インナーテントを導入するのが手軽かなと思いますが、我が家ではちょうどインストールできそうな小型テントやコットがあったので、それを使うことにしました。
片側には2Pテントを置いています。
オランダのアウトドアブランド、NomadのJade 2というモデルです。
ここには子供2人と、私または妻のどちらかが寝ます。
幅220×奥行120×高さ110cmの完全なる2Pテントで、子供とは言え3人だと少し狭いので、もう少し大きいドームテントの方がいいですけどね。
今のテントをインストールした状態での余白を測ったところ、サイズ的には、奥行150〜160cmぐらいまでなら入りそうな感じでした。
そのぐらいのドームテントを探したところ、ノースフェイスのホームステッドルーミー2がジャストで収まりそうです。
反対側に置いてあるメッシュシェルターテント付きのコット。
こちらで一人でのびのび寝る権利を獲得した方が快適な眠りにつけることになるため、夫婦で争奪戦が勃発します。
インナーテントを付けるのではなく、小型テントやコットをインストールしたメリットとして、隙間にコンテナなどを置く場所を確保できる、というのがありました。
純正のインナーテントだと、寝室が前室スペースをけっこう圧迫してきます。
こちらが前室として使っている中央部分の様子。
チェアを対面ではなくコの字にレイアウトしているのがちょっとしたポイント。
こうすることで、チェアを動かすことなく幕を閉じることができ、かつベンチの後ろ側には移動するための導線を確保できました。
幕をオープンすれば目の前が開けて開放的になります。
逆サイドはこのようになっています。
コット1台だけだとかなり余裕があるので、外で使っていたものを寝る時に収納して置くスペースになりました。
立ち上げの速さ
想定通りですが、やはりポール2本を立ち上げるまではとても早いです。
幕を広げて四隅をペグダウンするまでは2〜3分ほど。
そこから2本のポールを立ち上げるまで、1人でも5分もあれば終わってしまいます。
ここから両サイドにポールをかましてペグダウンします。
この部分の構造は居住性を高めるために必要とは言え、同じ2ポールでもシンプルな構造のヘキサライト6Pのような幕と比べると少し手間がかかります。
まぁそれでも、片側を作るのに3〜5分程度。
両側を作ってクローズ状態で立ち上げるための所要時間は、大人1名でかかっても15分程度、と早い方です。
コンパクトな収納サイズ
インナーが無いので当然と言えば当然なんですが、収納状態はコンパクトで軽いです。
総重量は、設営サイズのわりには軽い7.5kg。
ポールがアルミ合金製というのも軽量化に貢献していますね。
設営パターンが豊富
まだ豊富と言えるほどのパターンを試したわけではないんですが、前後の大きなパネルを使って色々な設営をすることができます。
パネルの中央に1本ポールを立てて両サイドをガイラインでペグダウンするのが標準的な跳ね上げパターンかと。
これを前後両方展開すれば、大きなタープを広げているかのようなルーフが出来上がりますね。
片側を落として、斜めに跳ね上げるパターン。
視界を遮ってプライベート感を確保することができますし、雨天時などは、こうすることで雨の侵入を軽減することができます。
幕の遮光性が高い
8月の強い陽射しのキャンプでしたが、幕の下はしっかりと暗くなっています。
真夏のキャンプは如何に日陰を確保するかがキモ。
The Arthの幕男ほどではないですが、この色と薄さのわりには遮光性が高く、夏の陽射しをしっかり遮ってくれます。
良心的な価格
そしてやはりZANE ARTSと言えば忘れてはいけないのが、税込65,780円というコスパの良さ。
これだけ大型で機能性が高い幕が、この価格とは驚きです。
ただし、別売の純正インナーを導入すると、1つあたり税込15,180円の追加コストがかかります。
また、幕の特性上、跳ね上げ用のアップライトポールは必須ですが、付属はしていません。
純正のアップライトポールが、1本で3,960円です。
ギギ2の気になったところ
続いて、気になった点や気づきを挙げていきます。
広い設営スペースが必要
中が広いので当然なんですが、設営にはかなりのスペースを使います。
比較的広いと言われる10×10mサイズの区画でもけっこうキツいんじゃないかと。
幕自体の設営寸法は幅7.5m×奥行4mですが、跳ね上げありきなところがあるので、ガイラインが張り出すことを考えると、さらにスペースが必要です。
この両サイドを作るだけで、それぞれ1m以上張り出しますしね。
パネルを跳ね上げると、片側だけでも奥行はプラス2mぐらい必要です。
なんだかんだペグダウンは多い
せっかくペグ4本ですぐ立ち上げられても、この構造を作るために片側5本もペグダウンが必要です。
跳ね上げも何もしなくても、立ち上げだけで14本ということです。
6本だけで完全に自立するヘキサライト6Pとは大きな差があります。
手間を省くため、試しに2本で写真のように設営してみました。
ポールの足元に1本、二股のガイラインを束ねて1本のペグに引っ掛けてます。
ポールの両脇をペグダウンしないと、裾のところが少し浮いてしまいます。
ただ、風が弱く、寒くもなければ、機能的にはこの張り方でも支障なく使えました。
見た目的にはちゃんとペグダウンした方が、整った感はありますけどね。
ドアパネルを巻き上げる時には、ボトムの中央部分もペグダウンが必要です。
居住空間を広げるために幕を引っ張るガイラインのペグダウンにも、最低1本は必要。
省いても問題ないところもありますが、省いた分だけ、機能的に充分じゃなくなるところがあります。
雨が入り込みやすい
ドアパネルを跳ね上げた状態で雨が降ると、本来なら幕内になるところにも隙間から雨が降り込みます。
ファスナーを全開にしていると、かなり深いところまで入ってくるので、幕内に置いてある物が濡れてしまいます。
対策として、雨天時は写真のようにファスナーを途中まで閉めると、雨の侵入が軽減されます。
また、跳ね上げ側のポールが高いと幕側に雨が流れ込んでしまうので、なるべく低くして、外側に雨水を流してあげましょう。
クローズ状態での出入りがしづらい
内側からクローズ状態にするためにファスナーを閉めようとすると、しゃがんで腕を遠くまで伸ばさないといけないのが結構大変。
朝起きて開けようとすると、肩とか頭にべっちょり結露が付くパターンです。
スカートが無い
ここはまぁ、最初から分かっていたことなので承知の上で購入はしていますが、やはり隙間はあります。
気温が下がってくると、スカートがある幕に比べて寒い、というのはありますが、無いなりの付き合い方をしていくしかないですね。
思った以上に居住性が高かった2ポールシェルター
設営が容易でスピーディーな2ポールタイプでありながら、弱点である居住性の低さを改善した、いいとこ取りなシェルター幕。
広いサイトで跳ね上げを最大限に活用して設営できれば、開放的で気持ちよく過ごすことができそうです。
ではまた。
Have a good camp.
コメント
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