キャンプでは置いたり吊り下げたりする場所の確保が重要課題ですが、道具を吊り下げておくのに役立つのが「ハンガーラック」。タープ下などにハンギングチェーンで吊り下げるのと違い、道具を吊り下げたまま動かすことができるので、とても便利ですね。
キャンプ用のハンガーラックと言えば、知られたところだと、韓国のアウトドアブランド「ミニマルワークス」のインディアンハンガーがありますが、この度、日本のブランドにから新たな気になるハンガーラックが登場しました。
(文中ではシナノワークス様からご提供いただいたプロトタイプを使用しているため、実際の製品とは異なる場合があります。)
スナイプハンガーとは?
SNSやクラウドファンディングで盛り上がっていたので、既にご存知の方も多いと思いますが、それがこちらのシナノワークスというブランドの「スナイプハンガー」。
シナノワークスは100年に渡り、主にスキーやトレッキング用のポールを作り続けてきた、長野県にある老舗のアウトドア用品メーカー。
スナイプハンガーは、脚になる4本のポールと1本のメインポールの計5本を組み立てて使います。
メインポールの端にある穴に、脚のポール4本を差し込みます。プッシュボタンを押しながらポールを押し込むと、カチッとロックされてワンタッチで組み上げられます。
それを4本差し込むだけ。ものの10秒です。
アルミ製のポール表面にはアルマイト加工が施され、傷に強く耐食性や強度が高められています。
本体重量940g、収納サイズは約80×9×2.5cmと軽量コンパクトなので、積載もラクラク。専用の収納袋が付属で、税込14,850円。
と、これだけだと、単にちょっと高いだけのなんてことないハンガーラックのように見えてしまうので、ここからちゃんと「スナイプハンガー」の特徴を説明していきます。
伸縮自在の可変式ポール
「スナイプハンガー」の最も特徴的な点は、高さと幅を変えられるというところです。
高さは、73cm/95cm/130cmの三段階に変更できます。私の股下あたりから胸ぐらいまで高くなるので、かなり長い物も掛けることができます。
高さが固定だと、用途に応じたそれぞれのサイズのものが必要になりますが、高さを変えられることにより、これ一台で色々な用途に対応できます。
そして、幅は68cmから99cmまで無段階で調整可能。手で持って伸ばしたり縮めたりするだけです。約30cm拡張し、衣類だと3〜5着ぐらいは多く掛けることができるようになるので、かなり収容力がアップします。
メインポールの耐荷重は10kgfなので、けっこう重いものを吊り下げたり掛けたりすることができます。大きめのダッチオーブンとか。
ただこの10kgfというのは、脚を伸ばしたりして強度が下がっている状態でも10kgまでいけますよ、という意味だと思います。脚もメインポールも伸ばしていない最小の状態であればもっと強度はありそうで、約20kgの娘が鉄棒のようにぶら下がっても、壊れる気配はありませんでした。まぁでもあくまでもスペックは10kgfなので、それ以上重いものを荷重をかける場合は、自己責任でお願いします、、。
サイズ別の使い方例
実際にキャンプで使って、低・中・高それぞれの高さごとに、どのような用途に適しているかを試してみました。
小物ギアの吊り下げにちょうどいい「低」
「低」の場合の高さは、73cm。フックなどで吊り下げ位置が下がることもあり、あまり大きいものは掛けることができません。
小型のランタンや焚き火ツールなどを掛けるのに適しています。
アウター類のハンガーラックとしてちょうどいい「中」
「中」の高さは95cm。身長180cmの私の服もちょうどよく掛けられていますが、ゆったりめのアウターだと地面についてしまうかもしれません。写真は幅が狭い状態ですが、広げれば4〜5人の家族分ぐらいのアウターも掛けることができますね。
個人的にはこの手のハンガーの使い方としては、やっぱりこのウェアを掛ける、というのが理にかなっているというかしっくりきます。ぶっちゃけ焚き火ツールなんかはあまり汚れを気にしないですし、手の届く範囲に置いておくのが一番使いやすいので。
寝袋やマット類を干すのにちょうどいい「高」
そして「高」は130cm。180cm×100cmのペンドルトンのオーバーサイズジャガードタオルもラクラク干せます。
この高さでキャンプ通しで使うということはあまりないので、キャンプ中は低や中でギアやウェアなどを吊り下げるのに使い、撤収時に高に切り替えて、寝袋やマットを干すのにも使う、というのがスマートかつ効率的なんじゃないかと思います。
ちなみに高だと、そもそも安定感がよくない上に、寝袋やマットを掛けると風に煽られやすくなるので、ロープでペグダウンしておいた方が安心です。
他にも、アウトドアで使うだけでなく、自宅でギアをインテリアとして飾る時のラックとして使うなど、キャンプ以外でも活躍してくれます。
インディアンハンガーとのスペック比較
スナイプハンガー | インディアンハンガーS | インディアンハンガーM | インディアンハンガーL | インディアンハンガーXL | |
高さ | 73,95,130cm | 44cm | 75cm | 110cm | 143cm |
幅 | 68〜99cm | 52cm | 66cm | 99cm | 101cm |
重量 | 940g | 230g | 550g | 840g | 1,080g |
収納サイズ | 80×9×2.5cm | 30×4cm | 42×6cm | 44×8cm | 48×8cm |
価格 | 14,850円 | 5,500円 | 7,150円 | 8,800円 | 10,450円 |
冒頭にも書きましたが、否が応でもミニマルワークスのインディアンハンガーと比べざるを得ないので、潔くスペックを比較表にまとめてみました。
寸法で見るとスナイプハンガーは、実用性が高くないインディアンハンガーのSを除いて、MからLまでをカバーできるサイズ感ということになります。その中でも特に使用頻度が高いと思われるのが、MとLのサイズ。
ただ、単にインディアンハンガーのMまたはLの代わり、という位置付けだと、倍近くする価格が割に合いません。その上でなおかつ、場面によってXLのような使い方を取り入れることで、はじめて価格に見合った働きになるのかな、という感じですかね。
別売フックがあればもっと便利
単にバーだけだと物を掛けることができないので、今回の撮影の時は、ダイソーに売っていたS字フックを使って道具を掛けました。まぁ機能はしましたが、ちょっとした拍子に外れて落ちたりしていたので、しっかりと巻きつけるような形状の方が使いやすいかもしれません。
その後、シナノワークスから専用のオプションパーツとして「SH-HOOK」なるフックが販売されていたので、こちらをご利用いただくのもいいんじゃないかと思います。
アイデア次第で幅が広がる便利な可変式ハンガーラック
ということで、いくつかの使い方を例に挙げてスナイプハンガーの紹介をしてみました。ただ、わりと定番な感じの使い方になってしまっているので、アイデア次第ではもっと画期的かつ合理的な使い方もありそうです。
そういったことを考えるのも、キャンプの楽しみのひとつですよね。
ではまた。
Have a good camp.
コメント